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2010年2月21日 (日)

小学生が「選挙」する!

 20歳になって初めて行った選挙がなんだったか、全く記憶にないが、投票所で「自分なんかが投票してもいいのかな」と気おくれした印象だけは残っている。ただ、一票入れた直後には「私は成人だぁ!」と妙な自信が湧いてきた記憶もある。

その自覚があったせいか、やむを得ず棄権した一回を除けば、これまで私はすべての選挙に自分の一票を投じている。

 

しょせんヒトなんてものは、内面から自発的に認知するのは難しいが、外的要因によってはたやすく変容し、その気になってしまうものなのだ。だから古今東西で「儀式」といったものが執り行われるのではなかろうか。それは、いつまでもあきらめ悪くモジモジしている段階から、向かうべき次のステージへの“追いだし”である。卒業式であれば「もう学校を出て社会に出なさいよ」と、結婚式であれば「独身で好き勝手にやるのでなく家庭をもってみなさいよ」と、葬式であれば「生を全うしたのだから、あの世でも達者でね」と良い意味で諦念を抱かせるための装置として機能する。

 

つまり、「初めての投票」という所作は社会へ参画するための意思表示であり、“もうひとつの成人式”と言えるものではないか。そういう意味では、20歳と言わず、もう少し早い段階でそれが行われていいと私は思っている。自覚するタイミングの問題なのであれば、翻って、“大人”になる潜在性はかなり早い段階で醸成されていると言うこともできる。

だから「18歳成人」には賛成である。さらには、その準備が小さい頃から継続的に行われるのであれば、無論いい。

 

17日の水曜日、模擬選挙推進ネットワーク 事務局長の林大介氏、桜井・法貴グローバル教育研究所の桜井高志氏、そして私の3人は玉川学園で行われた模擬選挙の授業を見学させてもらった。今日21日に行われた町田市長選挙を想定しての模擬選挙である。

 

私が観たのは小学6年生2クラスの授業であった。授業前、担当された硤合(そあい)先生は、普段は高校で授業をしているため「試行錯誤の実践です」と話されていた。正直、私も小学生の模擬選挙がどの程度の意味を持ってくるものか、観るまで半信半疑だった。しかも45分という限られた時間の中で、候補者を吟味し、投票するところまでもっていかなければならない(2コマとって実践するのがベストではあるが、やるべきことが山積している昨今の教育現場では難しいのが実状だ)。懸念は、“投票”するという行為事態が目的化して、学びがともなってこないのではないかということである。

 

実際の授業はおおよそ次の流れで行われた。

 

1.今日の授業について(5分)

2.「町田」のイメージをブレスト(5分)

3.グループワーク「選挙公報を見よう!」(10分)

 “なぜ?”をたくさん探す 各候補で最低3つずつ

4.グループごとに発表(15分)

5.投票(5分)

6.ふりかえり(5分)

 

 非常に痛快だったのは、選挙公報を分析するグループワークの後の発表だ。小学6年生が読み解く選挙公報とは次のようなものだった。

 

・○○候補は、具体的に書いていないが何をしたいのか。

・マニフェストの内容はいいが、本当に全部できるのか。

・財源は減っているのに、減税はどうやってやりくりするのか。

・中学三年生までの医療費ゼロはできるのか。

・給食費ゼロには反対。私たちにとってはいいが、給食のおばさんたちの給料が出ないのはよくない。

・減税しているのに、こんなに建設できるのか。

・○○候補は夢を持ちすぎて、(政策実施までに)時間がかかりそう。

・推薦人に鳩山首相を挙げているのは自慢? 本当に推薦しているの?

・○○候補の趣味はバードウォッチングなので、森林伐採を止めてくれそう。

・浜松市出身なのに、町田市のことを知っているのか。

 

 給食のおばさんを気づかう視点は大人にはないかもしれないが(笑)、これらコメントは大人と比べて全く遜色ない。選挙公報に対して訝しく思うセンスに、どうも大人も子どもも関係ないようだ。であれば、授業前の私の半信半疑は杞憂にすぎなかったということになる。事実、林氏の話によれば、模擬選挙の結果は実際の選挙の結果とほとんど同じになるのだそうだ(とりわけ国政選挙に関してはその傾向が強いとのこと)。

 ただ、これもまた大人にも子どもにも両方へ言えることだが、“訝しく思うセンス”をいかに“正しい投票行動”につなげていくかということが次の課題になってくる。なにが「正しい」かは、厄介な話ではあるのだが…。

 

 模擬選挙の結果はまだ明かされていない。たとえ選挙権のない小学生だろうと、実際の選挙結果が出る前にその結果を公表することは、公職選挙法の「人気投票の公表の禁止」(第138条の3)に抵触するためだ。

 しかし、その模擬選挙の投票結果を知ることが、私が観たクラスの子どもたちの目的ではない。きっともうすぐ明らかになる実際の町田市長選挙の結果が彼らの最大の関心事になっているはずである。“模擬”ではなく、“実際”の選挙結果にこそ、目が向くようであれば、模擬選挙の授業が活きてくる。彼らは、選挙権を得て初めて迎える「儀式」と同等のものを、あの授業で体験したにちがいない。

Img_0536

 実際の投票所と酷似した環境にして授業は行われる

Img_0539

 

【参考】

 玉川学園のホームページの「CAMPUS TODAY」(2月17日)で授業の様子が見られる。

 

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コメント

よくディベートで投票権は論題になります。

つい先日観たディベートの大会でこんな論題が
ありました。

This House Believes That each generation's voting weight should be inversely propornate based on each voting rate for Japanese Government.

やたら長い文章で読みにくいと思いますが、日本語訳して短くすると・・・

「日本政府への投票率における世代別の投票のウェイトを逆にかけるべきだ。」

賛成側の定義次第ですが、投票率低い世代(若者)の票を重くしようというわけです。

「おいおい、そこまでして若者に投票させたいのかよ・・・」と思ってしまいましたが、私が観たラウンド(試合)でジャッジさんは「これ憲法違反になるよねー」と怖い顔で言っていました。

普段の議論では「若者の政治への関心は本当にあるのかどうか?」が争点になります。

賛成側:「地方では(18歳以上もしくは以下に投票権を与えることを)導入されてるんだからやるべきだ。しかも学校で政治のことは勉強してるし。」

反対側:「都会の若者は政治になんて関心がないはず。彼らは学校で仕方なく勉強してるだけ。今だって若者は全然投票しないのに、年齢を下げたらもっと投票率が下がるじゃないか。」

・・・ディベーターとしても観客としてもこの議論を観ると「本当なのかな?」と疑問が残ってしまいます。ディベーターはイヤな話、とにかく「勝つためならなんでもやる」ので時々ウソをつきます。よりジャッジを説得するために。いくらこの試合の結果が社会に影響しないからといっても、(私だけかもしれませんが)罪悪感が残ります。

でも、先生のブログを見て「全く興味がないわけじゃないんだ!」とフワフワしていたものがちょっと安定した気がします。

そして何よりこのネタはディベートにも使えます!!笑

これからは先生のもとで間近に普段わからない社会の現状を見ていきたいです。


参考:The 10th T.I.Ttech Cup ホームページ

http://tokyotechess.web.fc2.com/titechcup10/index.html

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