骨髄バンク支援

  • 走り続けて、骨髄バンク支援!
2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

« フード・ルール | トップページ | 親バカ永久宣言 »

2010年8月27日 (金)

「全日本冷やし中華愛好会」再結成!?

 仕事を終えて、とっぷりと日が暮れた夜道を帰ってきた。もうすっかり秋の虫が我が物顔で鳴いている。視覚が十分に働かない分、聴覚が意気揚々としているようだ。

 日中は「今日は35℃以上になる予報なので熱中症になる恐れがあります。こまめに水分をとりましょう」と徒に親切な市の屋外放送が聞こえてくるが、秋は確実に近づいてきている。ただでさえ火照っている我が妊婦は、夏と秋が同居し始めたことにすこし安らぐ思いではなかろうか。



 そうは言っても過ぎ去って行くと思うと、この猛暑にも同情したくなる。いや、やはり猛暑は早く過ぎ去ってほしいと思っている人がほとんどか。それでも、 「夏」という季節には、日本人であれば、賑々しさ、切なさ、ほろ苦さ、自由さ…等々、何かしらの感傷を抱き、このぐらいのタイミングでとても名残惜しいものに感じてくるのではないだろうか。



 さて、唐突だが、これから冷やし中華について書こうと思う。それは冷やし中華が“夏の風物詩”だからではない。むしろ、“夏の風物詩”扱いされることに異議を唱えたいからだ。


 私には“三大夏感知物”というようなものがある。つまり「あ〜、(日本の)夏だぁ」と感じさせる(もちろん独断と偏見の)代表格が3つあるのだ。それが、そうめんとカルピスと蚊取り線香。


 そうめんのスルスルひやっとした触感。カルピスのどんな飲み物にも真似できない清涼感のある味。なぜか「蚊を獲る」という本来の目的を忘れさせるような紫煙の漂いと芳香(と思わない人もいるでしょうけど)。その年によってどれが最初か分からないが、そのうちどれかを五感で感知した時、私は「夏到来!」 と思うのである。決して「冷やし中華始めました」などという下世話な言説が街の中華屋さんに垂れ下がった時なんぞではない。


 ちなみに、今年はGW中の少し気温が上がった日の昼に「そうめんでも食べたい気分だねぇ」と妻と話し、スルスルひやっとした時が今年最初の「夏到来!」であった。
 実は、その時にこのテーマでブログを書くつもりが、気づくと夏の終わりになっている。光陰矢の如し…。



 で、冷やし中華だが、酢好きの私は冷やし中華をこよなく愛している。言うに及ばず、春夏秋冬関係なく、食したいのである。が、ある時、一瞬にしてスーパーの店頭に並び、食堂のメニューに名を連ね始める。そして、またある一瞬に姿を忽然と消すのが冷やし中華の生態である。



 なぜ、冷やし中華は夏にしか食べることができないのか???



 「そりゃそうだよ、石川の親分。だって、冬に冷たいもんなんぞ誰も食べたかないですよ」と八っつぁんはそそっかしく言うかもしれないが、「おい、ハチ。だっ て、アイスは冬でも売ってるじゃねぇか。ありとあらゆる野菜や果物がいつでも喰える時代に、なんで我慢をしなくちゃいけねぇんだ!」とべらんめぇ調で言い 返したくなる。

 
 さぁ、「なぜ、冷やし中華は夏にしか食べることができないのか?」の謎に迫ろう。思いを巡らすと、以前、タモリ氏がテレフォンショッキングで同じように「冷やし中華をいつでも食べたいのに食べられない」と苦言を呈していたのを思い出した。

 調べてみると、ジャズピアニストの山下洋輔氏が会長となって「全日本冷やし中華愛好会」、略して「全冷中」なるものを昭和51年1月に結成!?している(ちなみに2代目会長は筒井康隆氏)。無論、タモリもそのメンバーである。
 
その当時に出していた会報は、のちに『空飛ぶ冷やし中華』『空飛ぶ冷やし中華 Part2』として出版されている。これは謎を解明する貴重な研究資料と思い、Amazonで検索したら、古書でしか入手できず、しかも結構、値がはる。「ここで諦めては!」と研究者(もどき)としては血が騒ぎ、日本最大の蔵書数を誇る国会図書館へと足を運んだ。本当は、8月発行予定の本の原稿資料を探しに行ったのだが、そういう遊び心もないと仕事は長続きしないものだ(そう、遊びはまじめにするもんだ)。

 で、「研究資料」を紐解いてみたのだが、これがあまり面白くない。理論展開もあまりなく、今見ると、どうも学生運動の匂いを感じる文章になっている。おもしろがって勢いでやってしまった感が拭えない。
 しいて言えば、新宿の行きつけのバー二軒の壁面にはりつけたという山下氏の声明文には賛同するので、以下、引用しよう。

 全日本冷やし中華愛好会結成のお知らせ

 皆様には益々ご活躍のことと存じます。さて、爾来、我国の生んだ最高の食品である冷やし中華の愛好者は日に日にその数を増やしている現状であります。しかるに一部の無理解なる社会風潮が我々をして一年を通じてかの食品を賞味したいという希望を実現不可能なるものとしていることは皆様方の熟知せらるるところであります。
〈我々は何故我国の冬季においては、かの冷やし中華を賞味できないのであるか!〉
 このように間違った習慣を少しでも変えていこうという主旨のもとに私達はここに『全日本冷やし中華愛好会』を結成するに至りました。何卒皆様の御賛同を切にお願いする次第であります。
(引用:『空飛ぶ冷やし中華』まえがきより)

 さて、問題は“無理解なる社会風潮”にあるかどうかである。意外と冬季も販売してみたら、飛ぶようにとは言わないまでも一定の販売数は保てるのかもしれない。「TUBEの歌は夏にしかヒットしない」という思い込み同様、「冷やし中華は夏に食べるもんだ」という強い観念が支配しているだけではないか。真夏に汗かきつつフーフー言いながらラーメンをすするのが好きな人もいるのだから、しんしん降る雪を窓外に眺めながら、薪ストーブのやわらかい熱に包まれて冷やし中華を食するのはなんとも乙だと思う。冷やし中華にこだわる私としては、冬にはニーズがないと“無理解”の市場論理で片付けてほしくはない。

 だが一方で、365日いつでも冷やし中華を食せる状況を想像してみるとどうだろう。これほど冷やし中華を愛し続けることができるだろうか・・・。些か不安になってきた。

 ある調査によると「夏の終わりに食べたいものランキング」のダントツ1位は、スイカでもなく、ガリガリ君でもなく、男女ともに冷やし中華であるのだそうだ。それほど夏という季節において思い入れのある食べ物が冷やし中華様なのである。なにも“無理解なる社会風潮”があるのではなく、むしろ多くの日本人は崇高なる理解のもとに、冷やし中華を「夏に食べるもの」として聖域化し、夏の儀式として崇めてきたのである。そして、夏になると「あ〜、ありがたや」とそっと冷やし中華を口にして、「これぞ、日本の夏であるぞ」と感慨に耽るのである。つまり、市場原理とは別の次元で、冷やし中華をもっともおいしく食するために、秋冬春と我慢に我慢を重ね、あえて夏にだけ食していたのである(と強引に結論づけよう)。

 たしかに、その季節だからこそ、というものがあっていい。
 調布に住んでいた時、花火大会がなにか特別な事情で10月に開催されていた時があった。どんなに盛大に花火を打ち上げようが、夜空に花火が開くたび、淋しさが募っていった記憶がある。
 そろそろ冷やし中華の食べ締めをしなくてはいけない時期かと観念し始めている。

Img_0700_2                                    我が家の冷やし中華 (*^-^)

« フード・ルール | トップページ | 親バカ永久宣言 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

いろいろ学ぶことがありました。

冷やし中華って夏以外には食べられないですね。
私も私のまわりの人はけっこう冷やし中華に興味が
ないのか、話題になったことがありません。
ひょっとして、地域差のある食べ物かも。

「蚊取り線香」も「蚊遣火」という言い方がありますよね。
殺すのではなく、あっちに行ってよね、っていう感じの。
あれ、いいなあと思ったことがあります。

また、夏とあう歌といえば、私は井上陽水さんなんかの
ある歌は一種の狂気を含んだ夏とあうような気がします。

花火もイギリスでは11月5日のGuy Fawkes Night の
風習と関係あるらしく、「冬の寒さを吹き飛ばすエネルギッシュ
で激しいもの」というイメージだそうです。
そういえば、最近?、日本でも新年を祝うときにもあげたりする
ようで、(私の地方では)除夜の鐘と花火の組み合わせになっています。

夏との結びつきも江戸時代の「隅田川の花火大会」以来らしい
ですから、まあ、最近。大飢饉でなくなった人への「慰霊」も関係
しているようですね。川開きの日でもあり、旧暦の5月28日だそうです。
夏の本番前というところでしょうか。

(今年初めて隅田川花火大会に行きましたが、間近で見たので、
特に音が良かったです。)

風物詩はじめ、文化習慣も季節も変わっていきそうですね。


ちょっと調べてみると、
「冷やし中華」って、東日本優勢みたいですね。
西日本では「冷麺」とありましたが、そうだった
なあと思います。

私の地方(徳島)では、たぶん、(自信があるわけでは
ありませんが)「そうめん」とか「冷麦」の方が人気ある
ような気がします。

日本も広いですね。

なんだか凄く懐かしい話題だな。自分のJr.ハイスクール時代に全冷中が結成されて、当時の音楽雑誌などにも記事が出ていた。「空飛ぶ冷やし中華」は、東葛地域で他市に比べて著しくお粗末な松戸の図書館分室にも置いてあったんで、手にとって開いたことは覚えているが、どんなことが書かれていたかは全く覚えていない。もしかしたら、棚にあった本を手にしただけで、拾い読みをしただけだったのかもしれない。

> 今見ると、どうも学生運動の匂いを感じる文章になっている。おもしろがって勢いでやってしまった感が拭えない。

実際、そうだった筈で、こんなものに学術的なことを求めるのが無理だ。タモリもメンバーになっているくらいで、結成時から洒落でやってると明言してたと記憶しているけど。

山下洋輔氏は、安保闘争時にバリ封チウの早稲田で演奏したのは記録映画「怒りをうたえ」でも取り上げられていますが、学生運動の匂いは是非とも今も感じて欲しいものだ。

セシル・テーラーに影響されてフリージャズの先駆けとして活躍してきたんで、既存の音楽からの解放を目指したようなことを言ってたと思う。モントレージャズフェスティバルだったと思うけど、Jr.ハイの時にFM放送で聴いたトリオの演奏にはもの凄い衝撃をうけたな。あの楽典を無視したようなフリージャズだけど、自分がハイスクールでミュージシャンを目指していた頃に山下洋輔は国立音大作曲科で理論を学んだことが基礎になって、あのフリージャズを開拓してきたというような評論を読んだ。
このことから、ファシリテーションも基礎理論の上で、フリーに出来るんじゃないかと思って、石川大先生の教えを受けようと思いました。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549757/49264367

この記事へのトラックバック一覧です: 「全日本冷やし中華愛好会」再結成!?:

« フード・ルール | トップページ | 親バカ永久宣言 »