骨髄バンク支援

  • 走り続けて、骨髄バンク支援!
2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

« ニクいサプライズ | トップページ | 文の京12時間リレーマラソン »

2010年10月 6日 (水)

歌う道徳講師

 前回、ゼミのことを書いたが、私のゼミにはライバルゼミがある・・・とはこっちが勝手に思っているだけことなのだが、それは商学部の長尾ゼミのことである。

 私がゼミをちょうど持ち始めた年だったかと思う。朝日新聞夕刊に大きくピンクリボン(乳ガンへの正しい理解を促し、乳ガン検診の受診を促す世界規模の啓発キャンペーン)のイベントに参加する拓大の教員とそのゼミ生たちの記事が載った。妻が「拓大の先生が夕刊に載ってるよ」と教えてくれて気づいたのが、それが長尾素子教授と長尾ゼミの学生らであった。
 記事に目をすぐ通すと、ゼミの活動が意義あるものとしてきちんと社会に発信されていること、ゼミ生たちが主体的にアクションに結びつけていることが伺え、まず羨ましさが先立った。そして、同じ学内にすでに模範があることにちょっぴり悔しく、また嬉しくもなった。まさに自分が目指そうとしていたゼミの形がそれだったからだ。

 奇しくも長尾先生は、今年度、私が企画運営に携わっている「国際開発教育ファシリテーター養成コース」を第7期生として受講してくださっており、その上、夏の海外研修であるマレーシアツアー(ブログ9/2掲載「マンディの青空」参照)にも参加してくださった。学内の教員がこの通年の講座を受講してくださるのは初めてのことで、教授となった今でもこうして学生たちと交じって学ぼうとする向学心と謙虚な姿勢には、ただただ頭が下がるばかりである。おかげでこちらは恐縮しつつも、親しくさせていただいている。

 さて、今年、創立110周年を迎えた拓殖大学では、その記念企画として、学生の自発的な企画に対して助成する「学生チャレンジ企画」を募集した。私自身は石川ゼミとしてそれへ応募することに意欲的だったのだが、準備不足は否めなく、ゼミ生たちと相談の上、応募を断念した。かたや長尾ゼミは「スマイルブレスト」と銘打った“乳ガンを1万人に知らせよう計画”が最終的に採用となり、20万円の活動費を獲得している。この点でも長尾ゼミに一日の長ありである。

 先週火曜(9/28)、「スマイルブレスト」企画の一環としてシンポジウム「乳がん早期発見の重要性〜今、若者は何をすべきか〜」が開催された。ちょうど講義のない曜日だったので、どんなものかと偵察をしに行ったのだが(笑)、学生たちによってしっかりとシンポジウムがマネジメントされており、とにかく感心した。そして、このシンポジウムを企画してくれたことに感謝した。乳ガンへの正しい理解が得られただけでなく、大野靖之というシンガーソングライターを会場の参加者に引き合わせてくれたことに対しても、である。
Img_0893_2

 彼は“歌う道徳講師”と呼ばれている。
 高校3年生で母親を乳ガンで亡くした後、路上ライブと平行して、全国のホスピスや児童養護施設を訪ねている。亡き母が生前に遺した「やっくんの歌が聴きたい」という言葉が胸に引っ掛かっていたのだろう。いつしか彼は「家族」や「命」、「愛」と「夢」をテーマにボランティアライブを始めた。全国の小中学校も回るようになる。
 2008年にはそういった活動が認められ、青年版国民栄誉賞グランプリ・内閣総理大臣奨励賞を受賞するが、彼にとってそれはおまけにすぎない。彼の活動の心髄は、乳ガン検診の啓発に寄与することだけにあるのではなく、彼のライブを学校で聴いた生徒たちが、人生や自分のあり方を再考するきっかけを与えたことにもある。Img_0895_2 彼の言葉にはそんな威力があった。シンポジウムという、なんとも硬い場で、涙があふれてきたのはこれが初めてだった。

 シンポジウムの会場を後にする時、達成感ゆえの晴れ晴れとした長尾ゼミ生たちの姿があった。彼らがつくり出した“出会い”の意義は、これから幾何級数的に広まっていく。そのことは彼らが想像している以上のものになるにちがいない。どんなに大きなことをしたのか、きっと学生たち自身にはまだそれが掴みきれていないのではないか。もしそうならば、声にしてそれを伝えてあげたい。
 彼らは本当に立派だった。

 シンポジウム後の最初のゼミ、「こんなことがあったんだよ」と我がゼミ生たちに、私は話をした。「へぇ〜、すごいなぁ」と少々他人事のような顔をして聞いているもんだから、最後にこうも言い添えた。「これは必ず君たちにもできることなんだよ」と。
 ですよね、長尾先生。

【参考】
・シンポジウム開催日の大野靖之さんのブログ「ココロのノート」
 http://blog.oricon.co.jp/ohno/daily/201009/28

« ニクいサプライズ | トップページ | 文の京12時間リレーマラソン »

教育」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ニクいサプライズ | トップページ | 文の京12時間リレーマラソン »