骨髄バンク支援

  • 走り続けて、骨髄バンク支援!
2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

« エゾシカ肉のお味 | トップページ | 箱根5区を走っておもう »

2011年2月13日 (日)

人を動かす

 今月はJICA(国際協力機構)さん依頼の仕事で忙しい。先週土曜は東京・広尾で、翌日曜日は千葉で、一昨日は筑波で、研修やワークショップの講師をさせていただいた(写真は、広尾のJICA地球ひろばで、マイケル・サンデルばりに講演(笑))Cimg2361 来週土曜には群馬でもその予定がある。事業仕分けで大変な最中、こうして仕事をもらえるのは光栄である。

 それぞれに講演だったり、ワークショップだったり、指導者研修だったりする上に、テーマも微妙に違っていて、別個の準備をしなくてはいけないのだが、「開発教育」や「ファシリテーション」という私の専門から大幅に逸れることはない(当然逸れては立ち行かなくなるし)。自ずと重なるワークをプログラムに入れることにも時折なる。
 以前、本ブログで取り上げた“タイガーマスク騒動”
(参照「伊達直人的行動」は、国際協力現場の「援助」という側面に置き換えて考えることができるゆえ、アクティビティ化してみた。タイムリーな話題であることは興味を持って考えてもらえるし、賛否両論あって議論になりやすいことから格好の素材であったのだ。
 すすめ方としては、今回の騒動に関連する投稿記事を読んでもらい、それをどう感じるかというところを切り口に、その時の感じ方と国際協力に置き換えて考えた時の感じ方に違いがあるのかを考えてもらった。そこの議論から国際協力のあり方がぼんやりとでも見えてくればなぁというのがねらいで、東京と筑波で実践してみた。興味深かったのは、どちらの参加者も多くが「理解はできる」としながらも、その先からの思いになると判断が分かれたことだった。

 「理解はできる」

 つまり、“いいこと”ではあるのだろうけど、なにか腑に落ちない。同時多発的に津々浦々で登場した“伊達直人”の言動に反対はしないけれど…かと言って諸手を挙げて賛成するわけでもない、というのが本心のようなのだ。

 世界的にロングセラーとなっているデール・カーネギーの名著『人を動かす』(創元社)では、「人を動かす三原則」として次の3つを挙げている。

  1. 盗人にも五分の理を認める(批判も非難もしない。苦情も言わない)
  2. 重要感を持たせる(率直で、誠実な評価を与える)
  3. 人の立場に身を置く(強い欲求を起こさせる) 

 詳細は本を読んでもらえればと思うが、この3つの中で私が特に共感し、身をもって感じるのは「重要感を持たせる」だ。“重要感”とは、詰まるところ、「自分は今ここにいていい」という“存在意義”のことだ。人は自分の存在意義さえ感じることができれば、損得勘定なしに動いてしまう。敷衍すれば、存在意義を見出せるのであれば、これっぽっちも自殺を頭に思い浮かべることなどないはずで、人生を謳歌できてしまうのだと思う。
 ただし、そんなにやすやすと自分の存在意義を見つけることはできまい。北極星のように見つけ方が提示されているのであれば見つけるのはたやすいが、それができないから、みんな、迷える羊となっているのだ。

 『人を動かす』の中では、スティービー・モリスという少年のエピソードが紹介されている。
 デトロイトのある学校の教師は、授業中に逃げた実験用のねずみをスティービーに頼んで探してもらった。その教師がそれをスティービーに任せたのは、彼が目は不自由でも素晴らしく鋭敏な聴覚をもっていることを知っていたからであった。素晴らしい耳の持ち主であることを先生に認められた少年の人生はそこを境に変化していく。新しい自分の人生を見い出した少年は、天賦の聴力を活かして、後に「スティービー・ワンダー」として一世を風靡することとなる。
(※ちなみに、著者のデール・カーネギーは1955年に死去しているので、このエピソードを知る由がない。『人を動かす』は、あまりのロングセラーとなったため、カーネギー協会が古めかしい実例を現代の読者に親しみやすい事例に変え、改訂を重ねていっている)
 自分の存在意義というのは、自分よりもむしろ他者からの指摘で気づかされるのかもしれない。しがない一教員である私も学生たちが自身の存在意義を感じとれるようなプロセスを提供できたらと思う。 

 話が逸れたので戻すことにしよう。
 年末に登場した“伊達直人”たちは、寄付行為を通じて、自分の存在意義を見出そうとしたのだと思う。千にものぼったと言われる“伊達直人”の中には、誰からも自分の存在意義を感じてもらえず、自らが力ずくでそれをつくり出さなくてはいけないギリギリの人がいたかもしれない。
 それほどまでして人は「存在意義」を食い物とし、生きながらえている。そしてそれを消化してしまうと、また新たな存在意義を見つけなければいけなくなる。そう思うと、私たちは淋しい動物であるように思えてならない。

 私がワークで使った投稿記事の最後はこう結ばれている。

 「いつでも誰にでも公平に幸せを贈ることは難しい。しかし、他人の喜ぶ顔が見たいとか、誰かの役に立ちたいという善意を人々が常に持ち続ける限り、幸せの輪は広がってゆくのではないか」

 世界はそんなに純真ではないような気が私はしている。(次のブログでそのことに触れようと思う)


【地球の食卓(石川編) No.6】

HACHIOUJI BAL
東京都
八王子東町1-11 久保田ビル1 101
042-649-8357

Img_1242同僚の先生に連れていってもらったイタリアン。
こじゃれた感じの雰囲気の店で、店員さんの対応(気遣い)がとってもいい。なおのこと、ピッツァとワインがおいしく感じ、たのしい夕げとなりました。

« エゾシカ肉のお味 | トップページ | 箱根5区を走っておもう »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

あ、懐かしい本!と思いました。
高校生に国語を教えていたとき、
え~と、25年ぐらい前ですが。。

この『人を動かす』D.カーネギーを
教材にして、このケースなら、君は
なんと声をかける?それはなぜ?
みたいな授業を何回かやってました。

この本を使おうと思ったのは、
人の心理を考えた、そして、けっこう
「議論をさける」のような「引き技」もあり、
使えるなと思ったからです。

高校生ぐらいは親との口論などで日々悔しい
思いをしているんじゃないか?などと当時は
思っていました。

スティービーワンダーの話は。。あ、載ってますね。
35ページに。

「人を動かす」。。のは相手がいるので難しくても、
「人をそそのかす」のは、ちょっとはできそうな気も
しないでもない。。。いや、これもなかなかかな。。。

それを思うと、(次のブログの記事では)
石川さんは「人を走らせて」ますから、すごい!です。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549757/50849085

この記事へのトラックバック一覧です: 人を動かす:

« エゾシカ肉のお味 | トップページ | 箱根5区を走っておもう »