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2011年3月 4日 (金)

ファンドレイジング

 すでに盛り上がりを過ぎた話題になるが、東京マラソンのことに触れておきたい。先のブログでも掲載したが、今回の東京マラソンでのチャレンジの報告をし、それで何を感じることになったのかを書き、一区切りつけたいと思う。

 東京マラソンスタート直前の開会式で、大会実行委員長であり、東京都知事の石原慎太郎氏は「マラソンを通じて、チャリティの文化を根付かせたい」といったような話をしていた。他の海外のビッグレースを参考にすれば、それが基本であり、当然の姿勢だろうというニュアンスだったと思う。たしかニューヨークマラソンだったかが、参加者の3分の1が寄付をした上での参加であるという例を出して、その“当たり前さ”を強調していた。

 実際、今年の東京マラソンでは「東京マラソン2011 チャリティ“つなぐ”」というフレーズでチャリティランナーを募集し、チャリティランが実施されていた。10万円以上の寄付をした人という条件で、先着1000名までの希望者(個人のみ、法人は除く。参加費の1万円は別途)が、チャリティ活動をアピールしてもらう目的でチャリティランナーとしてフルマラソンに参加できた。ちなみに、受付でもらった大会プログラムによれば、現在、総計7,000万円を超える寄付が寄せられているそうだ(寄付金は3月31日まで受け付けている)。
 さらに4月からは「東京マラソン公式クラブ ONE TOKYO」と名付けて、大会で「ともに走る喜びを」共感しあうメンバーを募るらしい。

 ただ、チャリティランナーの募集は当選者発表後であって、チャリティというよりは「出たいならお金で参加の権利を買う」といった印象が拭えない。これは、実際にそれで参加した人たちがそうであったというよりは、大会実行委員サイドが抽選にもれたランナーたちへ誘い水を向け、ファンドレイジングを試みたというふうに思えてしまう。きっと、チャリティランナーたちは、もちろん「是が非でも参加したい」との思いはあっただろうが、「寄付をして(=“いいこと”をして)参加できるのであれば、すすんでそうしたいと一挙両得の思いだったろう。
 「東京マラソン公式クラブ ONE TOKYO」のほうも登録するとエントリー(当選)の確率が上がるということを公然と謳っている。こちらはクラブメンバー(無料)とプレミアムメンバー(有料/年会費4,200円)とがあるが、もちろん当選確率が上がるのはプレミアムメンバーのほうである。

 こうした見え透いた“シカケ”に、「胡散くさっ!」「えげつなっ!」と思わず口にしたくなるだろう。私も聞いてそんな思いになった。でも、それを否定しようとは思わない。

 今回のタイガーマスク騒動をみていてもそうだが、人はそうしたインセンティブになる“シカケ”を欲しがっているとも言える。行動には何かしらの誘因(強制力)が働かなければ、重い腰はなかなか立ち上がらないものだ。日本ではそれを「寄付文化が醸成されていないから」とネガティブに捉えるが、文化だろうが宗教だろうが、それらも言ってしまえば人間の重い腰を立ち上がらせようとする“シカケ”でもあるのだと思う。

 社会は、幸せになる確率をより高めるために、そうしたシカケをあちこちに張り巡らせてきた。人間の内面から湧き出る崇高なものではなく、外的な要因で行動を起こさせるという意味で、「シカケを張る」ことはベストではなくベターなやり方かもしれない。消極的な選択に見えるが、不完全な人間においてはベターを選択するというベストな方法なのではないかと感じている。

 今回のJustGinvingの私のチャレンジ「東京マラソン完走で移植者支援します!〜“命のタスキ”を石川がつなぐ」には、35人もの方が総額132,500円(3月4日現在)の寄付を寄せてくれた。寄付に限らず、応援のメールを何通もいただいたり、レース中に励まし、勇気づけの電話をいくつかいただいたりした(マラソンは孤独なので、レース中でも誰かとコミュニケーションすれば、リフレッシュされ、瞬間的にでもパワーが出るだろうと「ぜひ応援を!」とメールで呼びかけておいた。中には旅先の台湾からの国際電話もあった!)。このことは本当に嬉しく、ありがたく、感謝の気持ちこの上ない。ただ、こうしたチャレンジが本当によかったのか、複雑な気持ちでもいる。

 大会1週間に思い立ったファンドレイジングだったこともあり、限られた時間の中でのチャレンジを家族・親戚、友人・知人、仕事仲間とありとあらゆるところへ呼びかけた。それは寄付を強制するものではなく、むしろ「こんなチャレンジをしますよ」との紹介程度の文面だったつもりだが、送った本人がそうでも受け取ったほうは若干の強制力を感じてしまっていたのではないだろうか。きっと気を遣わせたのではないかと心苦しくも感じている。

 しかし、やり出した張本人がそういう感情を持っては、より多くの幸せを求めるシカケはうまく働かない。素直に、皆さんのそうした気持ちを「ありがとう」と受け止めればいいだけなのだ。
 「ありがとう」と何度も言わせていただいた皆さんの温かさに、再度「ありがとう」と重ねたい。

Tokyo_marathon_2011_2            スタートの号砲直後のランナーたち(石川、iPhoneで撮影) 

追記:
 東京マラソンは(参加費が1万円ということもあるからか)本当によくマネジメントされている。参加していて非常に気持ちがいい。特に沿道にいるボランティアの皆さんが我々ランナーを鼓舞してくれる姿勢にいつも力をもらうことができた。だから“常時、エネルギーIN !! ”であった。
 沿道の応援もいい。今回、もっとも力をもらった言葉は、35km過ぎで見かけた「疲れてる そう思うのは 気のせいだ」というフリップだった(笑)。
 また、今回もスパイダーマンやら目玉オヤジやらサンタクロースやら、中にはメイドカフェ風な女子もいた。一番わたしを驚かせたのは、背中に「私は実は、、、鎖骨を骨折しています」とのゼッケンをつけ、“取り扱い注意”のシールを貼っていたランナーだ。見ると本当に左手を三角巾で肩から巻いたままで走行していた。彼は完走できただろうか?
 楽しいお祭りは今年もみんなが満喫して終わったのだった。

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コメント

今回のマラソン。
いろんな意味で有意義なものになったんだなあと
思いました。よかったですね。

鎖骨の折れた人の話も胸に刺さるような感じで
読みました。

ところで、
「ガッテン」でやっていたんですけど、鎖骨って、
猫にはあって、犬にはないそうですね。
だから犬やキリンや象は、木に登れないそうです。
豚は?。。。おだてると登るかもしれません。

私も
白血病で虎の門病院で臍帯血移植を受けました。石川さんの東京マラソン参加を聞きやろう!と思ったのですが・・・・・。 参加費を聞いて迷ってます。、
どうせ寄付するなら臍帯血bankに直接したいからです。 先日も二万寄付したけれど、金額を決められ参加するマラソンなんていやだな・・・・。

 菅波さん、コメントありがとうございます。(菅波さんも虎ノ門病院「13会」のメンバーなんですね)
 当選するかどうかは別として、一般参加であるのなら1万円の参加費の負担だけで東京マラソンにはチャレンジできますよ。10万円以上の寄付はいりません。
 私は骨髄移植後、完治の証しにフルマラソン完走をしたいと思い、体力ゼロのところから、近所の散歩、ウォーキング、ジョギングと徐々に「ゴール」に近づいていきました。42.195kmは果てしなく遠く思えますが、チャレンジしようという意思さえあれば、フルマラソン完走はおおかたの人が可能なはずです(東京マラソンの完走率は9割を超えています)。事実、マラソン終盤でかなり高齢の方や自分より小太りな感じの人にスイスイ抜かれていきます(笑)。だから、運動嫌いの学生にもどんどん勧めているんです。
 菅波さんもよかったらいつか挑戦してみて下さい。

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