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2013年6月30日 (日)

奨学金の苦悩

 先日、母から「奨学金返済の振込が郵便局でできないから、そっちでやってくれないか」との電話があった。昨今、オレオレ詐欺(最近は「振り込め詐欺」でもなく「母さん助けて詐欺」って言うんでしたっけ?)の影響で、10万円以上の振込が本人でないとできない、ということらしいのだ。

 非常に恥ずかしいのだが、その電話で私が大学時代に借りていた奨学金の返済を母がしていたのだと初めて知った。このブログを読めば、なんて能天気で、親不孝な奴だと思われよう。そのそしりは免れえない。ただ、言い訳が許されるのであれば、都の難病指定患者となっていた私は、申請さえすれば、毎期、学費免除となっていて、奨学金もそうした手続きがなされ、勝手に「返済免除」になったと思っていた節がある。
 今思えば、どうしてそんな思い込みをしてきたのか不思議に思うのだが、昔から「うちは貧乏だから」と母親に吹き込まれてきたのが少なからず影響しているようにも感じる。“貧乏”は、最終的にはいつも救いの手が伸びてきて、なにかが免除されたり、優遇されたりするような気がしてたのだ。

 それにしてもだ。自分の無神経さにも呆れるが、学生時代に借りていたお金の返済が40歳を超えた今でも続いていたことに驚きを覚えた。
 大学生の頃、4年間に借りたお金を返していくとなるとたしかにかなりの年数がかかるなと計算したことはあったが、その時はあまり(というか全く)切実に思わず、「みんなも借りてるんだから、どうにかなることなんだよな」と漠としてしか思っていなかった。それが、奨学金を借りていた学生の一般的な捉え方だったろうと思う。

 電話を受けた翌日、ちょうど紙面に奨学金関連の記事が載っていた。
 都内に住む25歳の女性は「金額を知った時、何で自分は大学に行ったんだろうと後悔しました」と思ったのだそうだ。日本学生支援機構から届いた通知書には、返済すべき金額が900万円と書かれていて、それはまさに就職直後に背負った“借金”そのものであるからだ。

 日本のGDPに占める教育費の割合は、他のOECD諸国と比較すると、非常に低く、31位の最下位である。特に高等教育に限れば、その比率はさらに開き、OECD平均の半分にもならない。おそらく、これは欧米諸国であれば、大学生に対する様々な学費補助・免除の制度が間接直接にあるのだと思うが、それが日本は十分ではない。その差ではないかと思うのだ。


 最近では、著名大学の講義がインターネットで見られるようになり、途上国と言われる国の子どもたちが、そうした大学に実際に入学するケースもあるという。つまり、教育機会の格差というのは世界レベルでは縮まり始めている。もし、このままの状況でいるのであれば、頭脳流出を心配する以上に、可能性を開くことができなかった日本人を国内に氾濫させることを危惧せねばなるまい。

 生活保護不正受給問題で、「
最終的にはいつも救いの手が伸びてきて、なにかが免除されたり、優遇されたりする」と私が書いたことは、幻想に過ぎず、それをいっそう社会が許さなくなってきている。
 世知辛い社会だと、やはり私は思ってしまう。

【参考】
朝日新聞デジタル 2013年6月28日
「奨学金よりよいあり方は 文科省検討会、拡充へ中間案」
http://www.asahi.com/edu/articles/TKY201306270487.html

朝日新聞デジタル 2013年3月16日
教育費支出「OECD並み目指す」 中教審答申案に明記
http://www.asahi.com/national/update/0316/TKY201303160245.html